※家→三、チカ←ナリ前提の家康×元就。R要素は軽いです。元就様が襲い受けです。就→家かも。イメージ崩壊注意。
途中だけ、元親の緑ルートの設定あり。家康が天下を統一後。





「我を抱け。」

家康は、盃を口に運ぶ手を止めた。
眉間に皺を寄せて、声の主を凝視する。


毛利元就が、雨続きて臥せっている。
全てはその知らせから始まった。

同じ太陽、元就曰く日輪を崇める者として気になっていた。

陽に加護される者に、陽の無い天候は堪える。
この所、異常な程の雨続きで、長く陽を浴びていない。

陽の恩恵を誰よりも受けている毛利は、誰の目にも明らかに弱っていた。

そんな状況がとうとう耳に入り、家康は持ち前の性格から行動した。

「毛利、遊びに来た。」

忠勝で飛んで来た家康を見るなり、日輪と小さな声で呟き、毛利は植物が水を得たように、元気になっていった。


それを言われたのは、夜に酒を飲み交わしている時だった。

「貴様で良い。」

「何を言っているんだ?」

元より、薄情な毛利を家康は実は苦手だ。

「我を抱けと言うておる。」

わざとなのか、酒のせいか、こちらを睨むように見る眼は潤んで色を増し、全身に妖艶を纏った。

「ワシは三成一筋なんだ。」

ヘラッと笑って答えた。

「…」

毛利の顔が怖い。

「酔いすぎではないのか?ワシも眠くなってきたからそろそろ帰るよ。」

「石田が貴様を受けいれると思うておるのか?」

用意して貰った部屋へ行こうと立ち上がった家康に、元就は言い放つ。

「いや…でも、分かり合えるはずだ!」

「西海の鬼とつるんでいるではないか。」

家康の主張は砕かれる。

…自分を殺すと喚いていた三成が、ある日突然、元親に命を預けると言い出し、元親に諭されて、仇討ちを辞めた。

それから天下を治めて後、元親の居る四国に身を寄せていた三成を、強制的に自分の城の江戸に連れて来た。

不純な自己都合は勿論有るが、何よりその才が国に必要だった。

江戸に居る三成を思い出す。

自分とまるで他人のように話す姿、嫌悪が隠せていない顔が思い浮かぶ。
前のようには戻れないのだ。

それでも、いつか心を開いてくれると思っている。
と言うか、今は三成が近くに居てくれるだけで満足だ。

口元が緩むが、毛利を見て顔が曇る。

元親…。

三成は、もう元親しか見てくれないのではないか?絶対的な秀吉公のように…と、薄々考えていた。

嫉妬している。
はらわたが煮えくり返りそうなので、蓋をして、考えないようにしている。

「長宗我部も、石田に惚れておる。」

毛利は、家康の手を掴み、自分の頬にあてる。

より陽を感じるからと言うので、今までもこうしていたが、流石に、この雰囲気はまずいと思う。

「毛利、ワシは三成が好きなんだ。」

「今更ボケておるのか?我も貴様を好きなどではないわ。」

淡々と言われ、家康は呆然とする。
その間にもスキンシップが過度になり、家康は焦る。

「ワシは三成でしか勃たん!」

諦めて欲しくて言ったつもりが、毛利の感情を逆なでる。

「相変わらずの石田狂いめ。我とは出来ぬと申すか。」

酒のせいで紅潮した顔で睨みつける。

「元親に気持ちを伝えたのか?元親が拒むはずが無いと思うが」

「黙れ!貴様に言われとうないわ!」

バシッと大事そうに抱えていた手を投げられる。
完全に怒りに触れている。

「本当に我では勃たぬのか試してやろう。」

毛利は後ずさる家康の胸板に触れる。

「…」

勃たない。絶対に。
そう思って居た。

「やはり貴様も溜まって居るではないか。」

男が好きなわけではない。
男に触れられるのなんて、豊臣の元に居た時に、三成として以来だ。

「呑め。」

元就は、近くに有った酒を壷ごと片手で持ち、家康の目前に差し出す。

「貴様も子供ではあるまい。身体を満たすだけぞ。」

「っ…」

据え膳喰わねば…いや、据え膳にしては容姿が綺麗すぎる。

壷の中身を飲み干し、秘密の夜は始まる。



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長宗我部とは、筋肉の付きが違う。
あそこも違う。
毛利は茫然としながら思う。
だが、思っていた通り、自分を満たすには充分すぎる。


こんなに小さくて、壊れてしまわないだろうか?
女人のようだと、家康は欲を打ち付けながら思う。


だがやはり、匂いも、声も、味も、全てが、
あの人じゃないと駄目だ。

繋がっていてもバラバラなのに、意見は一致している。

始めから。