※死直後・自殺妄想・捏造・自己満足





家康を殺した。
この手で息の根を止めた。

動かない家康を見て、絶望に襲われた。

それから、私は私を殺したらしい。

そうしようと思っていた。
秀吉様も居られない世で、生きている意味などない。

そして、…家康も居ない世で、
私の全ては失くなった。


「なぜ、貴様が居る?」

半透明になり、必然的に向かう一方通行の光の道の前に、家康が立っていた。


死んだ時のまま、黄色い戦闘服で、困った顔をして、頭を掻いている。

「お前を待っていたんだ。一緒に行こう。」

「待ってろなどと頼んでいない!邪魔だ。」

家康が困った顔で微笑む姿が癪に障った。
横を通り過ぎると、腕を掴まれる。

「三成…」

言葉がすぐに続かず、暫く見つめ合う。

先に口火をきった。

「貴様は、私が憎くないのか?私に殺されたのに。」

たったさっきの殺し合いの惨状。
私に斬り刻まれ殺された。

この男は、天下を誰よりも自分の手で統べたかったのを知っている。

「お前を殺したのはワシだ。」

「…。」


死んだからか、沸点が低いらしい。
と言うよりも、現は終わったのだから、どうでもよいのだ。


家康はやはり、大馬鹿だ。

何故、手を繋いで行かなければいけないのだ?

たったさっきまで殺し合っていたのに、何が嬉しいのか、ニコニコとしている。

ただ、温かい。