※とてつもなく鬱で、病んでいます。現パロ。自殺ネタ。胸クソ。
【知るために産まれました】
…生きたくないのだが、どうしたら良いのだろう。
学生服に身を包んだ、少年。
秀吉様も、半兵衛様も居らっしゃらない。
毛利元就がなぜが身近に居た。
あとは、前世と由の有る者は誰も居ない。
毛利とは幼い頃より出会った。
互いに他に友達と呼べる者などおらんのだが。
お互いに、家庭環境に恵まれては居なかった。
持って産まれた頭脳は、相変わらず突飛しては居るものの、お互いに、やる気・生きる気が無かった。
これは、前世の反動なのか。
毛利には、護り栄えさせる國などはないし、私にはお仕えたいお人も居ない。
テレビでは、下らなさを通り越した情報が流れる。
お互いに、死んだように生きていた。
ただ、生きていた。
私は、離婚家庭に産まれ、
毛利は、両親が不仲な家庭に産まれた。
互いに、程度の低い人間(親)に責められ、献身を求められて育った。
元々の性格も相まって、静かに過ごし、クラスでは、ぼっちだった。
コミュ障と、言われるやつだ。
同級生と馴れ合う気などないが、この世ではオカシイらしい。
中学の卒業にさしかかる頃だった。
屋上の端のどこかしらには、誰も居ないので、毛利とはたまにそこで会っていた。
「貴様、何かなしたい事は有るか?」
「ない。」
気の早い事だが、互いのレベルを考えると、学力は気にせずに何にでもなれるだろう。
奨学金を借りてな。
だが、何もやりたくないのだ。
何の為にと考えると、恐ろしい程の空虚が浮かぶ。
己が生活する為に、
社会的地位を得る為に、
裕福に暮す為に、
他人の為に…
正直、この国の為に何かしたくもない。
「戦乱の時代、我は一心不乱に生きておった。それは、それが生き方であり、一族と未来の為だったからだ。今、我が生きている意味は何ぞ?」
俯き、答えのない質問をする毛利に、かつての気丈な面影はない。
「私も、命を懸けて仕えたい人に疑問もなく、命懸けで付き従っていた。私も、生きる意味なぞ分からない。」
素直に吐露する。
誰に従えと言うのだ?
会社に就職し、社長と言う他人にだろう。
その人物を推しあげる事が幸せか?
私が事業を起こしたとして、何の為に?
何かを発見、貢献しました。何の為に?、
国を良くする為に、政治家になれ?
分かるだろう。
接待、媚び、血筋、なってからの、言った言わないの下らない問答。
「この国は、我らが望んだ未来である筈がないと思いたい。」
時が来たのだなと思った。
分かっていても、互いに言わずに居た事を達観した顔で口に出している。
「…貴様はどうあると思った?」
敢えて聞こうと思っていた事をこちらも尋ねる。
「石田は、笑って生きれると思った。万民は、生きる事に意味を見いだせる世になると思った。我は、全てがくだらないのだ。」
「生きる意味がないのは知っていた。」
己の私欲などない人間に、他人に興味のない人間に、命懸けでしたい事などない人間に…
「毛利、私も終える。意味が無いからだ。人は圧倒的に幸せに生きれるようになったと思う。私たちが、この世界にはじかれているのだろう。」
初めから何を言いたいのか分かっていた。長い付き合いだからな。
さっさと、逝きたいのだろう。
一人は嫌なのだろう、本当は、私と同じ位寂しがり屋だからな。
「この世は出来た当初から理論上10次元らしい。どれか一つが、正解だったのかもしれぬな。」
「こんなにも虚しいものだったとはな。」
苦笑する。
必要だったのだ。
黄色い、絆、絆とうるさい奴も、白髪碧眼の自称、鬼も。
互いの前世の死因で有るのに。
ただ一緒に生きれれば幸せだからだ。
この世の人間は、それが幸せだと言う。
だから、家康、貴様が居れば良かったのに。
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花が咲いている
私は、男の膝に持たれて眠っていた。
悪い夢を見ていたのかと、あの、傷だらけの拳が私の頬を撫でて、微笑んだ。
そうだ。
貴様が居ない世界はとてつもなくなく空虚だ。
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「おいおい毛利よう、なぁに泣いてんだよ。ガキじゃあるめえし、怖ぇ夢でも見たのか?」
…。
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「「何度生まれ変わっても、どこに産まれても、傍に居ると誓え」」
でないと、(私・我)は、死んでしまうのです。
END