微妙に時系列の飛んだ続き。昇華。

ー雨夢ー

ポツポツ、外には雨が降っている。

窓を叩く雨音と心地よい倦怠感。
眠気を誘う。

明日は遠征に行く日だ。

自分の部屋に戻らな,,,。
早朝戻るよりも今戻って準備をした方が楽だ。
アラシヤマは、相手の寝息を聞いて、そっとベッドを降りようとした。

キングサイズのベットが置いてある。

起こさないようにと気を使った、ゆっくりな動作の間に、手首を捕まれる。

明日から、暫く自分が遠征に行くのは、相手は知っている。
何より、この人がそう命じたのだから。

「戻りますわ。」

「なんで今?」

「準備せなあかんから。」

「起きてからにしろよ。俺が許す。」

許すって,,,。

まあ、いいか、もし本当に間に合わなかったら、部下に適当な説明をして示しをつけて貰おう。

最高級の物に囲まれた寝具に身体を戻す。

自分の部屋の寝具も気に入っているけど、こっちの方が、気持ちええし、よお眠れるし。

広いベットは、寝返りを打ったって気にならない広さだ。

横になった矢先、シンタローが後ろから抱きついてくる。

本末転倒、眠れないやないの!

そう思っていたが、以外と心地よさを感じる。

安心感のような、不思議な気持ち。

きっと、おかあはんがいたら、幼少期はこうやって抱き締めてくれたんやろうなあ,,,。

あれ?
いつかもこんな事を思った事が有った気が,,,。

温かい。

耳元で聞こえる相手の寝息を聞きながら、アラシヤマは眠りに墜ちた。


end