パプワ島、「お友達」後
性描写有り注意。
ーかけひきー
友達、友達って、ウルセーよ。
「シンタローはーん。」
今日も、語尾にハートマークを付けて呼んでくる。
なんで?
こんなじゃ無かったじゃん。
「友達」と言う言葉でこんなに変わるとは。
だが、ある事に気づく。
こいつ、俺が誰かと一緒の時しか現れない。
居ても気づかないだけ?
ワザとやってるのか?
気になると、確かめたくなる。
夜、家事から解放されたシンタローは、彼が住んでいる家に行ってみた。
ノックしても出てこない。
明かりがついているのに、明らかに居留守だ。
「おい!」
出てくる気配がない。
ノックをしまくってみた。
応答なし。
扉にガンマ砲を打ち込んでやろうかと思った時に、ようやく、キィと、扉が少しだけ開き、家主が顔を覗かせる。
「シンタローはん、何してるんどす?」
「オメーこそ何してんだよ。何で出て来ねぇんだ?」
「いや、誰か訪ねてくるハズが無いと思いましたし,,,。何のご用どすか?」
微笑んでいるが、無理に笑っている気がする。
「いや、別に用はねえけど。」
「は?用も無しに?・・・嬉しおすけど、なんのご用意もしておりませんし。」
やっぱり、おかしい。
用事もないのに、アホ違ぅか?とっとと帰れや!と、彼の顔に書いてあるような気がする。
やっぱり、俺が嫌がる事をわざとやってるのか?
どうしようもない怒りが込み上げて来た。
「おい、心友、茶ぁくらい出せるだろ。あげろ。」
「あげろって、こないな狭いとこに?」
アラシヤマが言い終わらないうちに、少し開いている扉をガッと開けて、中にお邪魔する。
本当に狭い。
「あ、あの…。」
アラシヤマは滅茶苦茶困っている。
何だか面白くなって来た。
そっちが、自分を嫌がらせるために、お友達をやっているなら、反撃してやろうと思う。
アラシヤマは、とりあえず、開いている所に座った。
布団の横で、膝が当たる距離。
「やっぱり、話しなら、こないな狭いとこでせんでも、ええんちゃいます?」
アラシヤマは、らしくない微笑みを浮かべる。
シンタローも不敵に笑った。
「いや、丁度いいから、相手をしろよ、心友。」
アラシヤマをそのまま横の寝具に押し倒してみる。
どこまで、お友達のフリをして、嫌がらせをしてくるのか見もので、それを辞めろと言う警鐘でもあった。
楽しい。口の横が釣り上がってしまう。
いつ謝ってくるのか、地が出るのか。
組み敷いて見つめ合う。
見つめ…ええ?
何赤くなって目を反らしてるんですか!?
抵抗しないで、ジッとしている。
こっちがマジみたいでこっ恥ずかしい。
「・・・。」
そんな気はないのに、そんな気になって来た。
男相手に!?
しかもよりにもよって、お互いを大嫌いな相手に?
自分に吃驚して、相手を見ると、サラサラな髪、白い肌、長い睫毛、均整のとれた顔立ちに紅い唇、前々から、綺麗だとは気付いていたが、女の居ないこの島のせいか、ヤれそう。
上衣をめくり、女にするように、肌に唇を落としてみる。
妙に落ち着いている。
こいつ、何考えてるんだ?
早く辞めさせろよ!
自分を嫌で嫌でしょうがないはずのアラシヤマが、大人しく従おうとしてるのが、小気味よい。
動悸が上がる。生理的に止まらなくなる。
こいつは、真性ホモじゃあないのを知っている。
今まで何人燃やされたか分からないのも知っている。
「んっ,,,」
ちょっと!アラシヤマさん!?
何反応しているんだよ!
その顔と声。ヤベー。本当にヤっちまう。
下帯を解いて、隆起したそれを、自分の物をするようにしてみる。
「ッ,,,ンッ,,,」
あ、もうダメだ。
俺、男でも抱けるわ。
求めあっているかのように、お互いに欲する。
事後
「・・・・・・・,。」
「・・・,。」
言葉が無い。
顔も会わせられない。
二人の心にあったのは、
「「何で止めてくれないんだ!!」」
負けられなかった。
どれだけ、無言で過ごしただろう。
「それじゃあ、俺、帰るわ。」
「ああ、そやな。」
なんとなく、手を振り合う。
「「何これ?」」
心友とのねじ曲がった関係はこうして始まった。
end