かけひきの続き。パプワ島から帰って来てから。

−紅−


なんなんだ!?何で・・・。


自分が男と出来るとは思わなかった。

あの島から帰って来ても、目に入ると思い出してしまう。


「総帥、聞いてはります?」

今まさに悩みの種の、紅い唇が動く。

アラシヤマは、任務の報告をしに来て居た。

こいつはその後も、何事も無かったように、「お友達・心友」をしていた。


自分は、ノーマルな人間だ。
だけど、あの島から帰って来た今でも時々、物凄く、こいつとしたくなる。
支配欲?

目の前の奴が、ペラペラと報告をするのを、ボーっと見ていた。。

単純にイイだけな気もする。
もっとシたい。

「総帥?絶対聞いてはりませんどっしゃろ。」

「なあ・・・」
シンタローは、アラシヤマを手招きする。

不思議に思いながら、その口元に耳を近づけたアラシヤマの耳元で告げる。

「今晩、俺の部屋に来い。」

「…了解しました。」

同室にいた、ティラミスとチョコレートロマンスの横を通り、アラシヤマは退室する。


【その夜】

シンタローの部屋のチャイムがなる。

自動でロックが遠隔解除され、アラシヤマは入室した。

「何のご用どすか?」

自分を見るなり、腕を引っ張られ、ベッドまで連れていかれ、押し倒される。

「させてくれ心友。」

ああ、ヤバい。

アラシヤマは自分から唇を重ねていた。

身体が求め合う。

キモチイイ。

「「大嫌いなのに、なんで?」」



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「なあ、お前、俺以外の男は、どのくらいしたの?」

ベッドに腰かけて缶ビールを飲みながら、横になっているアラシヤマに話しかける。

「男とするわけないやろ。アホちゃいます?」

うそつけ。あんなに扇情的なのはおかしいと言いたいが、シンタローは黙った。

「それより、あんさんは、バイなん?」

「はあ?俺が男も抱けるとでも?」

しとりますやん!とアラシヤマは思うが黙った。

目が合って、お互いに怪訝な表情とぶつかり、視線を戻した。


どうやら、性欲処理に付き合って貰っているのは自分だけらしいと、二人は思い込んだ。


end