戻ってから
※注、いつもより狂ってます。
最強○×計画。
−マッド−
「アラシヤマ君、いい所に来たね。ちょっと精子を提供してみる気はないかい?」
「お断りします。」
具合が悪く、頭が回らない中、0.03秒で即答出来た。
医務室の高松はイキイキしている。
「まあ、話しを聞きなさい。特殊能力は、母親からしか遺伝しないから、君の精子を卵子に造り替えさせて貰うだけさ。」
目眩がするが、このマッドサイエンティストは、マジだ。
「…卵子に造り替えて、それをどないしはるんどすか?」
青い顔はますます青くなる。
「え?倫理的な問題とか、まさか私に言わないよね?」
人工受精とか有り得すぎる。
クローンとか言い出さないのは、恐らく、今やろうとしている事にクローンより好奇心を持っているのと、有益だからって所だろう。
いずれにしても、冗談じゃない。
「一応お聞きしますが、誰との?」
子供を作るおつもりで(ゲフッ)
熱が上がったのか、フラフラする。
「ああ、勿論、ガンマ団ナンバーワンの優秀な遺伝子と掛け合わせるのさ!きっと最強になるよ。顔もイケメン間違いなし。」
力説する高松。
アラシヤマは、退室しようとドアを後ろ手で開けていたが、医務室内のトイレに駆け込み、嘔吐する。
「おやおや。具合が悪くて来たんでしょ?無理しないで横になって。感染症になってないか調べないと。」
「いっ、嫌や!」
ヤル気や!
ニッコリしている高松が怖い。
命を弄ばんといて!
あと、わては親は元より、母親になる気はないどすわ。
30分後
「ちょっと、アラシヤマ君!もう君が断るならしないから。本気だったら、言わずに採取してるし。」
「はあ。」
確かに。
それはそうだが、クラクラして、動けずに居た。
「あ、総帥、ちょっと!」
廊下から、秘書のティラミスと会話しながら歩いているシンタローの声がして、高松は医務室から顔を出し、大声で遠くを歩くシンタローを呼ぶ。
「何してんだよ?」
カクカクシカジカで、あと、あそこで死なれたら迷惑でと、高松はシンタローに伝える。
「え?んな事出来んの?」
アラシヤマの中でなにかがズコーッとこけた。
「私の知能と技術を持ってすれば、可能な筈です。」
「おい、アラシヤマ、ちょっと話しが有るから出て来いよ!」
何の話しや!アホかあんたら!
「その話しを…今すぐ無かった事に…せえへんと、ここで自決して…灰になりますえ。」
その前に、具合が悪くて死にそう。
ダンッと、トイレのドアが蹴り飛ばされ、開けられる。
あーあ、ドアがと、高松の呟きが聞こえる。
「馬鹿かオメエ!」
ぐっと肩を掴まれて、ベッドに連れて行かれる。
ドタッと倒れ込む。
「え?ちょっと!」
高松は肩で息をしているアラシヤマの状態を見て、急いで点滴やら抗生物質の用意をする。
「死ぬ気か、馬鹿。」
声で分かんだよと、シンタローに耳元で言われる。
アラシヤマは、この人がまともで良かったとホッとして、微笑して、意識を手放した。
あいつの生体の採取なら俺がやるからと高松に言うシンタローの声は、アラシヤマに届かずに済んだ。
end