ー惑い2(シンアラ)ー


何日か前から、リキッドが敵のトシゾーから貰ったおかげで、papuwaハウスにもテレビが導入された。

ある朝、

唯一の放送局である、新撰組放送局の何個か有るチャンネルの1つを見ていると、
ドキドキ・斎藤とアラシヤマの同棲生活が放映されており、暫く見ていたシンタローは、飲んでいたブラックコーヒーを盛大に吹く。

「シンタロー、汚いぞ!飲み物を無駄にするな!」

パプワが叱咤する。その間にも、テレビには昨日の様子が放送され続ける。

「ああ、ごめん。」

テレビを見ながら空気が変わったシンタローに、リキッドはアワアワする。

「リキッド」

「はい!」

「悪ぃ、俺ちょっと今日、用事が出来たから、出かけて来る。」

笑顔で、床に飛び散ったコーヒーを拭いているが、怖い。

「分っかりました!いってらっしゃーい。」





inアラシヤマの暮らす洞窟


アラシヤマは朝食を作っていた。
斎藤は、昨日、トイレに行ったまま帰って来ない。

そのまま、新撰組へ帰ってくれと切に思っていた。

ふと、人の気配がする。帰って来たのか。

「はあ、帰ったと思ってたさかい、あんはんの朝食、これから作らな,,,」

途中で、気配が殺気なのに気づき、身構えて振り替えると、シンタローが入り口にもたれって立っいる。

「え?シンタローはん、どないしはったんどす?」

「お前、何してんの?」

何?

とんでもない殺気を放っているのと、ガンマ砲の気配に、アラシヤマは身構える。

が、砲撃は、360度高角監視カメラを正確に破壊した。

様子を見て、察したアラシヤマは青冷める。

シンタローが自分を好きなのは知っていたが、身体の関係でだ。
それでも、抱き締められたのを怒っているのだと分かった。

「シ、シンタローはん、あれは、反射だったらしゅうて、あの人も謝っておりましたえ。」


シンタローは、夜の様子も見たので、斎藤が本気なのが分かる。

シンタローは、ゆっくり近づいてきて、ダンッと、アラシヤマを壁に押し付ける。

「ちょお、痛っ。なにす」

言葉は、途中で唇で塞がれる。
そして、床に押し倒され、馬乗りになられた。

「ちょっ!痛い言うてますやろ!」

「うっせえ!」

超怒っている。言われがない。

アラシヤマは、燃やしてやろうと思った。

「あいつと何なんだよ。」

「だから、お友達やて」

「お前はバカか!」

「何でそないなこと言われなあかんの!」

「俺とは?」

「,,,心友。」

ブチッと何かが切れた気配がして、荒々しく服を脱がされる!

「ちょっ!やめ!」

唇を重ねられるのも、全てが荒々しい。

犯されるなんて、絶対に嫌だ。

「落ち着い,,,、シン,,,ちょっ,,,」

ああダメだと思い、ポウッと、全身発火する。

「っ,,,」
シンタローは離れる。

「はあ,,,、シンタローはん、落ち着いて、痛ぉないようにしましょ。」

呼吸を整えて言う。

「わて、あんはんとしかせぇへんし。」


こいつの心も欲しい。
身体だけ手に入れても,,,。
ずっとそう思っていた。

不気味な「心友」ごっこをされるばかり。
どうやったら、距離が縮まるのか、全く分からないのだ。

それで、突き放してみれば、こう言う事をする。

こいつに触れていいのは俺だけ。
魅力に気づいてるのも俺だけ、
俺だけのものにしたいのに。

なんだか、泣けてきた。自然と涙が零れていたらしい。

「え,,,何で泣いてはりますの!?」

何も言わず、抱いた。
相手は、応じる。

好きなんか、とっくに越えている。

,,,愛してる,,,だから

俺以外に触れられないで。



end