papuwa島 ラブラブ期

−逢瀬−



(アワワワワ!!??何してんの?)
リキッドは、ヤシの木の陰から見ていた。


「…どないします?」

「ああ、俺も考えてた所。」

リキッドは気配を消しているつもりだが、その存在はバレている。


リキッドは二つ、マズい事を見た。
@二人がキスをしていた。
A今もシンタローさんの手がアラシヤマの腰に回っている。


リキッドは、シンタローに生き字引の筆で何か書かれていないか凝視した。

(な、なくね?ヤバい、俺。凝視してるし。止めに出ていった方がいいの?シンタローさん、どうしちゃったの?)

(だって、いつもいつも、アラシヤマをあんなにウザがって、邪険にして、嫌ってたじゃないですか!
何これ?夢?助けて●ッキー!!)


「あいつ、何しにこんな所まで来たんだよ。このまま行ってくんねーかな。」

シンタローが呟く。
滅多に生き物が寄り付かない、アラシヤマが居住地にしている辺りだ。

「あのトリップキノコにやられた事にしたらどないどす?わてを誰かと間違うてとか。」

ボソボソとお互いに言い合う。

何か、至近距離でコイツを見たのも声を聞くのも久しぶり。

綺麗な黒い瞳が自分を見つめている。
リキッドにどう言い訳をしたら俺の体裁がいいかと、必死な様子。

シンタローは、アラシヤマの顔にかかる髪をサラッとどかし、顔をあらわにさせる。

「?」

燻しげな表情を浮かべるアラシヤマに、もう一度口付けた。


(NO!)
リキッドの思考は停止した。

「ちょぉ!あんさん、何プレイどすか!?」

アラシヤマがシンタローを突き放して言う。

(え?プレイ?新手のイジメかぁ。なんだあ。リキッド安心。)


リキッドは、ホッとして、呼びに来たシンタローの元へ向かう。

「ちょぉ!やめなはれ。燃やしますえ。」

明らかにアラシヤマが嫌がっていて、シンタローが、迫っている。(虐めている?)


「あのーお姑さん!パプワが呼んでいるんですが!!」

リキッドは大きな声で、今来た的に出て行く。

「分かったよしゃーねーな。あと、お前殺す。」

シンタローはリキッドに殺気を向けた。

「ええっ!?」

イラついた表情で見られ、アラシヤマを目で探すが、いつの間にか居なくなっている。


(かわいそうに、あいつ自分の師匠にNO ホモで躾られてたもんなぁ。)
リキッドはお人好しな勘違いをしながら、シンタローの向かった方向へ続いた。
(ビックリしたー)


end