どうしたらよいに似た続きの設定です。
家三、チカナリ
※キャラ崩壊、言葉足らず、甘い、訳わからないかも



―それは…―


玄関のチャイムの音で、元就は扉を開けた。
インターホンのモニターを見ないと言うのは彼の性格だ。

「!!」

立っていたのは、あの頃と同じ、うさんくさい笑顔を貼りつけた徳川家康だった。

(何故此処が分かったのだ!)

「毛利…?此処に三成が住んで居ると聞いたのだが?」

三成は、3LDKのリビングのソファで読書中だが、勿論、言う訳にはいかない。
「知らぬ。間違っているのではないか?」
元就は、扉を閉めようとした。
チェーンはかけている。

「いや、間違っているハズがない!それに毛利、こないだも三成と一緒に居ただろう。」

相手の声に、扉を閉める手を止めてしまった。
致命的なミスだった。

「また宗教の勧誘か?」

元就を救おうと、要らぬ世話を妬いた三成が、廊下で繋がっているリビングから声をかけたのだ。

「み…つなり」

家康の小さな声と共に、扉は閉まり、ロックされた。





次第を知った三成は青ざめる。

「この時代では、リアルでストーカーぞ!これ程不気味な思いをしていたとは。」
元就は、三成に声をかけた。

「徳川に此処が知られ、我を見られたと言う事は、奴にも知られる。対策を考えねば。」

奴、長曽我部の事を考える。
2人は、同等に危機だった。
一緒に、3人がけソファーに座り、ズーンと重い空気を背負った。

「もう遅い。きっと家の前で待ち伏せされたりする。」
引っ越そうと仕切りに言っていた三成が、諦めを呟く。
徳川家康を知る元就は、それは有り得ないと言えなかった。

「…そんな事をされたら、警察に連絡すれば良い。」
そう言う機関に頼るしかない。それは口に出すだけの気休めで、本気で頼る気など毛頭ないが、2人共、力では確実に相手に勝てない。

武器など、この時代で有り得ない。
それから、2人で相談した。

・付き合っている、むしろ事実婚している事にする。
(入り込む余地など皆無と思わせる)

・過去の記憶はもっていない事にする。
(先日逃げたのは、ナンパだと思ったから)

これで通す事にした。





「どう言う事だ?」
元親は、趣味の電子機器を組み立てる手を止め、今まで見た事もないような重力を背負っている家康に聞き返した。

「三成の家に、毛利が居たんだ。ラフな家着だったし、初めて見かけた日も一緒に居たし、…同棲しているみたいだった。」
語尾が明らかに下がる。

三成の住んでいる家は、制服から持ち前の人脈で聞き出したらしい。
いきなり行くとか有り得ないと思ったが、元親はそこはスルーする事にした。

重要なのは、毛利が三成と同棲?

「この間も言ったが、友達なんじゃねーの?」
「あの毛利がか?」
その一言で、元親は眉根を寄せた。
(そうだ、有り得ねえ。毛利も石田も。)

「ワシ、もう嫌だ。」

元親のアパートのテーブルに突っ伏していた家康は、目に涙を浮かべている。

「おいおい…。ちゃんと確かめてみようぜ。俺も一緒に行くから。」





玄関のチャイムが鳴る。
住人2人は、恐る恐るモニターを覗いた。

ヒッと、小さく悲鳴が出たような気がした。
画面いっぱいに、白髪のイケメンが映っている。

「居留守ぞ!」
毛利の囁き声に、三成は頷いた。
チャイムは鳴りまくる。

「おーい、毛利ぃ、居るんだろ!出て来やがれ。」
ドンドンと扉を叩き始める。

「おい、たったさっきは居たんだろ?」

元親が家康に振り返り、家康が、近所迷惑だから帰ろうと言った頃、
問題を先伸ばしにしても埒があかないと同意した元就と三成は、扉を開けた。
我に任せよと言う元就が、玄関に出て、三成は、ソファーで様子を伺う。

「誰だ?何の用だ?」

「おう、毛利ぃ、400年ぶりだな。」
瀬戸内2人がチェーンロックごしに再会する。

「何の事だ?頭は大丈夫か?」

「んだよ、その下手くそな演技。本当は記憶有んだろ、あの時は…」

「知らぬと言っているだろう。警察を呼ぶぞ。」

「まあまあ。先程は悪かった。静かにするから、通報はしないでくれ。聞きたい事が有って来たんだ。」
家康が後ろから割って入り、家康が来て居ると知らなかった三成は硬直した。

訪ねて来た二人は、自己紹介をした。
「で、聞きてぇんだが、お前らどう言う関係なんだ?」

きた!と元就と三成は思った。

「お前らとは?」

「お前と、石田三成だよ。」

「我の妻に何か用か?」
シレッと元就は言う。

「「妻ぁ!?」」

元親と家康が、素っ頓狂な声をあげ、リビングで三成も心で突っ込みまくった。

(何故私が妻なんだ!逆にしろ!)

「あ、あのよぅ、妻って、2人とも苗字も違うし、同性だろう?」

「他人に関係ない。兎に角、どのような目的か知らぬが、今後、我の妻に危害を加えるような事が有れば、警察を呼ぶ。2度と我らに近付くな。」

話しは終わったと、扉を閉めようとしたが、
元親の後ろで、先程から、
「妻…つま?…妻?」
と、呟いていた家康が、元親を押しのけ、毛利にむけて、ニコリと笑いかけた。

(?)

バンッと、チェーンロックがかかっているはずの扉を力で開け、ズカズカと中へ入って行く。

有り得ない出来事に、瀬戸内2人は呆然とした。

真っ直ぐに廊下を抜け、ソファーに座って居る三成を見つけ、ダンッと、ソファーに手をかけ、間合いを詰める。
三成は、硬直した。

「妻ってどう言う事なんだ?」
そこに、お得意の笑顔は無い。
確実に怒っている顔だ。

「は…何だ?」

三成は、元就と共謀した演技をしようとした。
(不法侵入、異常者、警察に電話)
声が出ない。目前にある家康の顔に釘付けになる。

「毛利の妻なのか?」
やはり低い声に、眼がすわっている。

「…そ…うだ。」

「…」

瀬戸内2人が見ている前で、見つめ合って居た関ヶ原2人は唇を重ねる。

(何故だ!?何故そうなる!?)
瀬戸内はつっこむ。


「あ、あのよう、鍵は弁償するし、俺、連れて帰るから通報しねーでくれねえか?」
元親は口元を無理に上げて言う。

元就は頭に手を置いて、顔をしかめた。

「我、疲れた…。分かったから、早々にあれを何とかしろ。」

「毛利ぃ、やっぱり覚えてんじゃねーか!」

ガバッと抱き締められる。
手で思い切り元親を叩いた。

「アレを、どうにかいたせ!」

今にも勢いでおっぱじめそうな関ヶ原を指さす。





「と、言う事で、我らは兄弟だ。」

ローテーブルを挟んで、元就・三成の向かい側に座る元親と家康は、元就の言葉に吃驚したが、合点がいきホッとした。

「何で騙そうとしたんだ?」
元親に三成から引き離されて、理性を取り戻した家康が微笑む。

「会いたくなかったからに決まっているだろう!」

三成は呼吸と、シャツを正しながら言う。

「ワシはずっとおま」

「貴様らに屠られた我らの気持ちを考えろ。」
家康の言葉を遮り、元就は言う。

「会ったらどうなるか分からなかったし、会いたくなどなかった。」

「まあ…、前世を考えたら、当たり前だよな。憎いかも知れねえが、言いてぇ事が山程有る!謝りてぇし、…今度は幸せにする。」

バッチリ目が合った元親の発言に、元就は不覚にも赤面する。

「誰が貴様などに!我は、もう、貴様などに、惑わされてたまるか!」

ウズウズしていた元親は、堪らず元就の手を引いて強引に外へ連れ出す。

「放せ貴様!我は部屋着ぞ!」
「関係ねーよ。」
瀬戸内の声が遠くなる。


残された関ヶ原。

「三成、ワシも謝りたいのだが…前世では」

「聞きたくない。」

「…さっき、チェーンロックを壊してすまん。」

「死んで詫びろ。」
見つめ合う、無言の2人。

どちらともなく口火がつき、結ばれる。

分かって居たのは、

・・嘘・・



END