どうしたらよいに似た続きの設定です。
家三、チカナリ
※キャラ崩壊、言葉足らず、甘い、訳わからないかも
―それは…―
玄関のチャイムの音で、元就は扉を開けた。
インターホンのモニターを見ないと言うのは彼の性格だ。
「!!」
立っていたのは、あの頃と同じ、うさんくさい笑顔を貼りつけた徳川家康だった。
(何故此処が分かったのだ!)
「毛利…?此処に三成が住んで居ると聞いたのだが?」
三成は、3LDKのリビングのソファで読書中だが、勿論、言う訳にはいかない。
「知らぬ。間違っているのではないか?」
元就は、扉を閉めようとした。
チェーンはかけている。
「いや、間違っているハズがない!それに毛利、こないだも三成と一緒に居ただろう。」
相手の声に、扉を閉める手を止めてしまった。
致命的なミスだった。
「また宗教の勧誘か?」
元就を救おうと、要らぬ世話を妬いた三成が、廊下で繋がっているリビングから声をかけたのだ。
「み…つなり」
家康の小さな声と共に、扉は閉まり、ロックされた。
◇
次第を知った三成は青ざめる。
「この時代では、リアルでストーカーぞ!これ程不気味な思いをしていたとは。」
元就は、三成に声をかけた。
「徳川に此処が知られ、我を見られたと言う事は、奴にも知られる。対策を考えねば。」
奴、長曽我部の事を考える。
2人は、同等に危機だった。
一緒に、3人がけソファーに座り、ズーンと重い空気を背負った。
「もう遅い。きっと家の前で待ち伏せされたりする。」
引っ越そうと仕切りに言っていた三成が、諦めを呟く。
徳川家康を知る元就は、それは有り得ないと言えなかった。
「…そんな事をされたら、警察に連絡すれば良い。」
そう言う機関に頼るしかない。それは口に出すだけの気休めで、本気で頼る気など毛頭ないが、2人共、力では確実に相手に勝てない。
武器など、この時代で有り得ない。
それから、2人で相談した。
・付き合っている、むしろ事実婚している事にする。
(入り込む余地など皆無と思わせる)
・過去の記憶はもっていない事にする。
(先日逃げたのは、ナンパだと思ったから)
これで通す事にした。
◇
「どう言う事だ?」
元親は、趣味の電子機器を組み立てる手を止め、今まで見た事もないような重力を背負っている家康に聞き返した。
「三成の家に、毛利が居たんだ。ラフな家着だったし、初めて見かけた日も一緒に居たし、…同棲しているみたいだった。」
語尾が明らかに下がる。
三成の住んでいる家は、制服から持ち前の人脈で聞き出したらしい。
いきなり行くとか有り得ないと思ったが、元親はそこはスルーする事にした。
重要なのは、毛利が三成と同棲?
「この間も言ったが、友達なんじゃねーの?」
「あの毛利がか?」
その一言で、元親は眉根を寄せた。
(そうだ、有り得ねえ。毛利も石田も。)
「ワシ、もう嫌だ。」
元親のアパートのテーブルに突っ伏していた家康は、目に涙を浮かべている。
「おいおい…。ちゃんと確かめてみようぜ。俺も一緒に行くから。」
◇
玄関のチャイムが鳴る。
住人2人は、恐る恐るモニターを覗いた。
ヒッと、小さく悲鳴が出たような気がした。
画面いっぱいに、白髪のイケメンが映っている。
「居留守ぞ!」
毛利の囁き声に、三成は頷いた。
チャイムは鳴りまくる。
「おーい、毛利ぃ、居るんだろ!出て来やがれ。」
ドンドンと扉を叩き始める。
「おい、たったさっきは居たんだろ?」
元親が家康に振り返り、家康が、近所迷惑だから帰ろうと言った頃、
問題を先伸ばしにしても埒があかないと同意した元就と三成は、扉を開けた。
我に任せよと言う元就が、玄関に出て、三成は、ソファーで様子を伺う。
「誰だ?何の用だ?」
「おう、毛利ぃ、400年ぶりだな。」
瀬戸内2人がチェーンロックごしに再会する。
「何の事だ?頭は大丈夫か?」
「んだよ、その下手くそな演技。本当は記憶有んだろ、あの時は…」
「知らぬと言っているだろう。警察を呼ぶぞ。」
「まあまあ。先程は悪かった。静かにするから、通報はしないでくれ。聞きたい事が有って来たんだ。」
家康が後ろから割って入り、家康が来て居ると知らなかった三成は硬直した。
訪ねて来た二人は、自己紹介をした。
「で、聞きてぇんだが、お前らどう言う関係なんだ?」
きた!と元就と三成は思った。
「お前らとは?」
「お前と、石田三成だよ。」
「我の妻に何か用か?」
シレッと元就は言う。
「「妻ぁ!?」」
元親と家康が、素っ頓狂な声をあげ、リビングで三成も心で突っ込みまくった。
(何故私が妻なんだ!逆にしろ!)
「あ、あのよぅ、妻って、2人とも苗字も違うし、同性だろう?」
「他人に関係ない。兎に角、どのような目的か知らぬが、今後、我の妻に危害を加えるような事が有れば、警察を呼ぶ。2度と我らに近付くな。」
話しは終わったと、扉を閉めようとしたが、
元親の後ろで、先程から、
「妻…つま?…妻?」
と、呟いていた家康が、元親を押しのけ、毛利にむけて、ニコリと笑いかけた。
(?)
バンッと、チェーンロックがかかっているはずの扉を力で開け、ズカズカと中へ入って行く。
有り得ない出来事に、瀬戸内2人は呆然とした。
真っ直ぐに廊下を抜け、ソファーに座って居る三成を見つけ、ダンッと、ソファーに手をかけ、間合いを詰める。
三成は、硬直した。
「妻ってどう言う事なんだ?」
そこに、お得意の笑顔は無い。
確実に怒っている顔だ。
「は…何だ?」
三成は、元就と共謀した演技をしようとした。
(不法侵入、異常者、警察に電話)
声が出ない。目前にある家康の顔に釘付けになる。
「毛利の妻なのか?」
やはり低い声に、眼がすわっている。
「…そ…うだ。」
「…」
瀬戸内2人が見ている前で、見つめ合って居た関ヶ原2人は唇を重ねる。
(何故だ!?何故そうなる!?)
瀬戸内はつっこむ。
「あ、あのよう、鍵は弁償するし、俺、連れて帰るから通報しねーでくれねえか?」
元親は口元を無理に上げて言う。
元就は頭に手を置いて、顔をしかめた。
「我、疲れた…。分かったから、早々にあれを何とかしろ。」
「毛利ぃ、やっぱり覚えてんじゃねーか!」
ガバッと抱き締められる。
手で思い切り元親を叩いた。
「アレを、どうにかいたせ!」
今にも勢いでおっぱじめそうな関ヶ原を指さす。
◇
「と、言う事で、我らは兄弟だ。」
ローテーブルを挟んで、元就・三成の向かい側に座る元親と家康は、元就の言葉に吃驚したが、合点がいきホッとした。
「何で騙そうとしたんだ?」
元親に三成から引き離されて、理性を取り戻した家康が微笑む。
「会いたくなかったからに決まっているだろう!」
三成は呼吸と、シャツを正しながら言う。
「ワシはずっとおま」
「貴様らに屠られた我らの気持ちを考えろ。」
家康の言葉を遮り、元就は言う。
「会ったらどうなるか分からなかったし、会いたくなどなかった。」
「まあ…、前世を考えたら、当たり前だよな。憎いかも知れねえが、言いてぇ事が山程有る!謝りてぇし、…今度は幸せにする。」
バッチリ目が合った元親の発言に、元就は不覚にも赤面する。
「誰が貴様などに!我は、もう、貴様などに、惑わされてたまるか!」
ウズウズしていた元親は、堪らず元就の手を引いて強引に外へ連れ出す。
「放せ貴様!我は部屋着ぞ!」
「関係ねーよ。」
瀬戸内の声が遠くなる。
残された関ヶ原。
「三成、ワシも謝りたいのだが…前世では」
「聞きたくない。」
「…さっき、チェーンロックを壊してすまん。」
「死んで詫びろ。」
見つめ合う、無言の2人。
どちらともなく口火がつき、結ばれる。
分かって居たのは、
・・嘘・・
END